2018.1.31「第7回 文科省採択事業 内部障害研修 ~Advance~ 」
いつもお世話になっております。
1月31日水曜日、「内部障害研修(Advanceコース)」が本社会議室で行われました。
講師は、国立長寿医療研究センターの土井剛彦先生です。
今回は、EBHC分野の『地域在住高齢者におけるEBHCと認知機能』を学習しました。
土井先生が実際に研究されている認知症研究を中心に、最新の認知症に関する知見を教えて頂きました。
現在、全世界で3秒に1人の認知症患者が増えており、2015年に4680万人だった認知症患者は20年ごとにほぼ2倍になるという予測に驚きました。
介護が必要となる原因として、認知症が占める割合が増加してきており、予防が大変重要となっています。特に、認知症ではないが、認知症の発症リスクが非常に高い軽度認知障害(MCI)が問題となっているそうです。
認知症の発症予防において、加齢や遺伝因子などの不可逆的な危険因子を取り除くことは困難なため、生活習慣病リスクの管理や中等度以上の身体活動・知的活動・社会活動などの実施といった可逆的な因子を変えていくことが重要となるそうです。
国立長寿医療研究センタ―の研究では、記憶・学習を促す運動、有酸素運動、行動変容、運動の習慣化を行う複合的運動プログラムの参加者は、健康講座を年に3回受講する対照群に比べ、全般的認知機能、記憶、言語、脳の萎縮度、脳の賦活について有意な効果が認められたそうです。
運動は、脳容量の変化や認知機能に対して有効性があるが、環境や習慣化が重要であることを再認識し、リハビリテーションにおける環境設定や自主トレーニングの促しに力を入れていきたいと思いました。