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2015.6.22 研究報告会

いつもお世話になっております。
小岩サテライト、PTのKと申します。

本日の研修は、私たちガイアの非常勤スタッフでありながら、
目白大学で日夜研究に励まれた、野村健太先生による論文に基づく研究報告です。
昨今社会問題となっている「社会的孤立」をテーマにした大変興味深い内容でした。

初めに、先生が社会的孤立に関心をもたれたきっかけとなった
訪問リハビリテーション時の出来事(前夜に転倒したまま助けを呼べず、
翌日のリハビリテーション訪問時間まで一晩その場所で過ごしていた独居高齢者の方)と、
社会的な問題として注目されるようになった、阪神淡路大震災後に孤独死した、
1000人弱の高齢者の存在などについてお話がありました。

前半はスライドを使いながら、研究によって明らかになった
一人暮らしの男性高齢者の心理社会的要因について説明がありました。
訪問リハビリテーション利用者様の協力を得た聞き取り調査に基づく分析により、
図式化された心理社会的要因のサイクルが示されました。
「しょうがない思い」「取り残される感覚」などいくつかのキーワードから、
社会的孤立の危機がある高齢者の心理面(葛藤や渇望)を理解することができました。

印象的だったのは、心理社会的要因を含めたアセスメントをすることで、
訪問リハビリテーションの質を高めることにつながるという先生のお言葉でした。
過日大阪で開催された学会では、訪問リハビリテーションの必要性に
疑問を投げかける意見もあったとのことで、訪問リハビリテーションの存在意義を高めるためにも、
身体機能面のみのアプローチに偏らない、心理面にも目を向ける姿勢の重要性を改めて認識することができました。

201506221[1]

後半はグループディスカッションで、各スタッフの訪問経験から「社会的孤立」に関連する事例の紹介や、
意見交換を行いました。「孤立がかなり重度の方は、訪問リハビリテーションすら利用しようとしないだろう」
「利用者の心理社会的要因に迫りたいと思うが、ためらいや遠慮があって踏み込めない面もある」などの意見があり、
大変勉強になりました。

「PTは身体機能面により特化してほしいと思う反面、OT的な視点での心理面も大切にしてほしいとも思う」
という素直な気持ちを語られた先生のお言葉も印象的でした。

今後は海外での発表も予定されているとのこと。野村先生の益々のご活躍を祈念致します。
本日は貴重な勉強の機会をありがとうございました!

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