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2016.8.23 在宅セラピストに必要なCOPDの知識

こんにちは、北千住事業所の作業療法士の神保です。
今回は「在宅セラピストに必要なCOPDの知識」というテーマで研修会がありました。講師は神戸市立医療センター西市民病院に所属されており、現在、神戸大学大学院博士課程で研究をされている沖侑大郎先生です。

2016.8.23在宅セラピストに必要なCOPDの知識

「イメージ」と「体験」を取り入れた、とても分かりやすい内容の講習でした。
COPDを「腐ったブドウ」に例えての説明でした。その腐ったブドウの中に古い果汁が入っている状態が正にCOPDそのものです、と非常にイメージしやすくお伝え頂きました。
また、「体験」という所では、細いストローと太いストローを口に加え呼吸をしました。細いストローでの呼吸がCOPDの方の呼吸状態だそうです。この状態で運動をする苦しさは想像に難くなく、これだけでもCOPDに対するイメージが前よりも具体的になりました。

2016.8.23在宅セラピストに必要なCOPDの知識②

こちらの写真は被験者の呼吸状態を見るスパイロメトリーです。今まで見たことは有りましたが実際に使用するのは初めての体験でした。実際に順番に5人体験し、呼吸障害があるかないかや、肺年齢と実年齢の差が明確な結果が出ていました。(私は呼吸障害は有りませんでしたが、肺年齢が実年齢よりも10歳上という個人的には残念な結果でありましたが(苦笑)

2016.8.23在宅セラピストに必要なCOPDの知識③

その他、先生から以下のような興味深い話がありました。COPDの診断がついている方々は約26万人いらっしゃいますが、一方で推定の患者数は約530万人いるとの事でした。つまり、診断名がついている方々は「氷山の一角」であり、日本人COPD患者の約95%は未診断の可能性があるということになります。これはつまり私たちが普段接している利用者様の中にも同じような方々がいらっしゃる可能性があるということになります。診断がついていないからといって安心せず、普段から意識して利用者様の訴えや、状態に注意を払っていかなければならないと、身の引き締まる思いでした。
また「COPDの方は不安を感じている。」とお話もありました。その不安とは、COPDとはどういう病気なのか、どのように進行していくのか、症状が憎悪するのではないかという、「目に見えない不安」だということです。

2016.8.23在宅セラピストに必要なCOPDの知識④

私たちはCOPDがどういう病気なのかをもっと知る必要があります。知ることで利用者様の立場に立ったより良いサービスが提供できるはずです。今回の講習を通じ、私たち訪問スタッフとしては、可能な限り利用者様の不安や苦しみに寄り添うことで、先生のお言葉にあった『利用者様の笑顔の花』を一つでも多く咲かせることが出来るのではないかと、切に感じました。

講師の沖先生、誠にありがとうございました。
早速、明日からの訪問業務に活かしていきます。

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